NGOの代表が国連環境計画の事務局長に

国連環境計画の次期事務局長は、ドイツ人のアキム・スタイナー氏(Achim Steiner)に決まった。44才。任期は7月から4年間の予定。 スタイナー氏は現在は国際自然保護連合(IUCN)という世界最大のNGOの事務局長。 国連環境計画といえば、国連の一機関であるからスタッフは国際公務員だ。その代表が民間から、しかもNGOから登用されるというのだから、人事の硬直化した日本では考えられない話しだ。 国連はなんだかんだいって、ヨーロッパのセンスが濃く出ているのかもしれない。 特に国連環境計画は本部がケニヤにあるだけに、そういう側面が強いのかも。 (ケニヤはフランス語圏かと思ったら英連邦ですね) 日本だと、環境省の代表に大学の教員がついただけでも、驚きとともに報道されるだろう。それが、NGOの代表なんてまったく考えられない ヨーロッパに行くと、「え?そういえばこんなのもありなんや・・・」と今まで自分がいかに固定観念にとらわれていたか実感することがよくある。 前にも書いたことがあるが、ビールの味なんかとくにそう。 日本のビールは、それぞれ個性を主張しているけど、ビールの中ではほんとうに狭いセグメントで競争している。 だから、ヨーロッパのビールを飲むと、今まで自分が評論家面してビールを語っていたのがなんだったのかと思う。 「結局、品質のばらつき程度の差でしかない」 そんな気さえしてくる。 もちろん、いつも同じ味を安定して作る技術というのは大したものだし、おいしいことは事実だ。 さてそんなわけで、僕自身、気づかないうちにロックインされてしまっている固定観念を一つ一つ見直していく作業を行なう必要性がある。 まずは、自分の仕事ってなんだろうって考えるべきかもしれない。 僕は自分の仕事を、「大学教員」だと思ってたけど、それは雇い主であって、ほんとうの仕事は違う。 スタイナー氏は、「NGO事務局長」が仕事だったのではなく、「環境政策のマネージャー」というのがほんとうの意味での仕事だったのだろう。 じゃあ、僕の仕事ってなんだろう。 僕はその仕事の技術を向上させる方向での努力をしているだろうか。