政治に興味ありますか?

最近、政治家なんていなくてもいいなと思ってしまう自分を戒めている日々です。 4月から新学期、小中高大と新入生を迎える準備は着々と進んでいますし、企業では新入社員がそろそろ早起きのつらさに泣きを入れている頃かもしれません。 僕の大学では1年生を対象に基礎ゼミというものをやります。中身は、情報収集、プレゼンテーションスキル、ディスカッション能力を身につけるというテーマに沿っていれば比較的自由です。 僕はそこに、「問題意識を持つ癖をつける」ことを付け加えてゼミの内容を作っています。 せっかく経済学部に入って経済学を学ぶのに、経済学を使ってなにを考えたらいいのか分からないというのはとてももったいないことです。 どんな身近な問題でもいいから、「これって経済学的に考えたらどういうことになるんだろう」とか、「この問題はどこまで経済学で考えることが出来るんだろう」ということを考えてもらいたいと思っています。 もちろん、選ぶ問題は恋愛のことでもバイトのことでも全然かまいません。 ただし、せっかく大学に行くというチャンスがあるのなら社会問題についても考えてもらいたいところです。 残念なことに多くの学生は環境問題とか年金の問題、貧困の問題、財政の問題など「硬い」話にはほとんど関心がないように思います。 考えてみれば僕が大学生の頃も大して変わりはないので、これは仕方がないのかもしれませんが、ふと周りを見回すと、普通の人の多くもやはりこういう問題に関心がないように見えます。 現在問題になっている社会問題の多くは、民主主義社会でしたら議会で議論され解決の道が探られるべきです。 でも、議会では、「偽メール問題」とか、「xx議員の女性関係の問題」とか、議員の足をひっぱること、他政党の足を引っ張るようなことしかしていません。 幸か不幸かその状況がテレビやラジオで放送されてしまいます。 たまに車に乗っているときにラジオを聴くのですが、ほとんどワイドショーと見まごうばかりの内容です。 おそらく、議会時間中はこんな感じで暴露合戦、議論のすりかえ合戦が行なわれ、議会が終わった夜に改めて他の法案については妥協が図られるのでしょう。 こんな国会を見ていると、学生たちに「社会問題に目を向けろ」とはいいづらくなってしまいます。 国会議員の主要な関心が「偽メール問題をひきおこしたやつにどう責任を取らせるか」であって、国家財政をどうするかというところにはないのですから。 僕自身も、政策というのは議員に期待しても仕方ないなあと感じています。 この事態を少しでもましな方向に向けるのはやっぱり一般人の力かなと思っています。少しでも、「ましな選択ってなにかな?」ということを消費や生活の様々な側面で考えてもらえるように努力しています。 もちろん、「ましな選択」は人によって違います。大事なことは、「考えて選択すること」です。それまでは考えていなかったことを知って、選択してみたら、今までと同じ生活だったとか、少し変わったとか、人によって違うはずです。 でも、生活は変わらなくても、考えて生活することと、考えずに生活することでは、「その次の選択」は必ず変わってくるだろうと思っています。 そんな感じで少しずつ考える習慣をつければ、だんだんと社会問題についてもなにが問題なのか分かってきて、自分なりの意見を言えるようになるんじゃないかなと思います。