調査の方法:そんなことを知りたいんじゃないでしょ?

CNNの記事によると、携帯電話とがんの関係について調べた研究者がいる。 調査期間中に携帯電話サービスを申し込んだ45万人を追跡調査した。 その結果、両者に有意な関係は見られなかったという。 ただ、記事中でも指摘しているが、携帯電話を申し込んだ人とがんとの関係を見ただけで、携帯電話をよく使うひととがんの関係を調べたわけではない。 で、この分析結果に何の意味があるんだろう? それなりの金額のお金を投入して分析した結果、携帯電話利用者と国民全体でがんの発病率に違いはないという結果が得られた。 ここからいえることは、一般の国民と比べて携帯電話利用者は特別なグループであるとはいえないということだ。 結果が逆の場合でも、おそらく携帯電話が健康に与える影響を分析した事にはならないだろう。 頻度を問わずに携帯電話を持っている人が病気になる確率が一般の国民より高いとすれば、その原因は、おそらく携帯電話のせいではなく、携帯電話を持つような人が共通して持つ何らかの行動パターンが影響している可能性が高い。 まあ、そんなわけで、調査っていろいろあるけど、なにを分析したいのか、その手法はちゃんと目的に適合しているのか、やる前によく考える必要がある。