人前で話すNGその3:パワーポイントが読めない

先日から続いている人前で話すときに見かけられる悪い癖の3つめは、パワーポイントなどのスライドの文字が見えない、です。 こういうことが起こるケースとして、主に二つのパターンがあります。 一つ目は、論文などワープロの画面をそのまま映し出すパターン。こちらは論外ですね。 二つ目は、一枚のスライドにものすごくたくさんの情報が詰め込まれているケースです。これは実はその2:すべてを話そうとするのバリエーションで、すべてを書こうとするときに陥りがちな問題です。 確かに、パワーポイントってレイアウトがやりやすかったりして、ついつい書き込んでしまうのはよく分かります。 そういうのって配布用にはとてもいい資料になります。 でも、配布することとスクリーンに映すことには別の目的があります。 スクリーンに映すのは、今話していることを理解しやすくするためです。配付資料用にと作ったものを映し出す必要はありません。 (逆にスクリーンに映したものを配布するのはありかなと思います) 最近は、「パワーポイントがないとプレゼンできない」という人がちらほらいますが、そういう人に限ってプレゼンは下手です。 やはり、どういうツールを使っていても、相手を見てちゃんと話すことが重要なことには変わりがありません。 そもそも、スクリーンには、今話していることを直感的に理解するために必要な図や、全体での位置づけを理解するための項目をあげるべきです 話を聞いている人の理解を助けるためのサポート役がスクリーンです。 どうしても配付資料を画面に映し出したいばあいには、「この資料で読むべきポイントはここですよ」と、示すために使うという程度ならよいと思います。 プレゼン作成時の工夫や効果もできるだけ削り落とした方がよいでしょう。 僕はMacのソフト(Keynote)のよさを宣伝しようと思って細々とイフェクトを入れることがありますが、慣れている人の前では、ほとんど使いません。 細かいところでは、クリックするたびに次の項目が出るという効果などを観客の興味を引きつけようと、ついつい使ってしまいますが、これも話が長引いているときには、 「じらしてなんかほしくないから、さっさと終わってくれ」 と、逆効果です。 箇条書きのばあいには、今全体のどこら辺かイメージできる工夫もあった方がいいかもしれません。 インパクトを与えるために、プレゼンをやるならいっそ、高橋メソッドまでやってしまってもいいのかなと思います。