太陽電池の効率性追求は必要か

先日経済産業省が、家庭に設置した太陽光発電による余剰電力を販売価格の二倍で買い取る制度の導入を発表した。2007年にドイツに抜かれてしまった太陽光発電設置量もこれでだいぶ持ち直しそうだ。 技術的な面では、太陽光をどれだけ効率的に電気に変換できるかという競争も行われており、現在では23%を超える状況となっている。 しかし、ここではたと気づくのは、本当に太陽光発電に発電効率というのは重要なのか?ということだ。発電機を設置している屋根を見て欲しい。ほんの一部しかパネルが載っていないはずだ。もっとたくさん載せればいいのに・・・と思うかも知れないが、コストの問題があって、たくさんは載せられない。が、スペースが余っているのは事実だ。 仮に変換効率が低くて、従来なら屋根の4分の1のスペースで設置できていた太陽光発電装置を、効率が低いものを使うと屋根全部使わないと同じだけ発電できないとする。それでも結局は屋根を使うことには変わりない。むしろ屋根材一体型であれば、屋根全面を使っても別に問題はないだろう。 日本の会社が今やるべきことは、効率改善競争ではなく、効率は低くても、全体のコストを下げることではないだろうか?オーストラリアで開発された印刷機で印刷できる発電装置はまさにそういう発想だ。 なんとなく、効率改善=オタク、コスト重視=実際的な気がする。日本は狭いけど、屋根はまだまだ広い。 アイントホーフェン工科大学、シリコン型太陽電池の変換効率世界記録を更新 - Technobahn. オーストラリア政府機関、印刷機で太陽電池セルを印刷する新生産方式を確立 - Technobahn.